ウェルニッケ失語症と聞く構え

ウェルニッケ失語症と聞く構え

ウェルニッケ失語症では、時や状況によって言葉を理解できたりできなかったりする理解能力の揺れは特徴の一つです。

 

この理解能力の揺れは、言葉を聞く構えに関係があると言われています。
本人の聞く構えがうまく周囲の状況にはまっていると相手の言葉は理解でき、周囲の状況からずれてしまっていると相手の言葉が理解できなくなります。

 

聞く構えとは、外来刺激に対する受け入れ側の心理的準備状態のことを指します。
健常な人の場合は小耳にはさんだだけでだいたい内容を理解できますが、ウェルニッケ失語症の患者では意識と注意を全て相手の言葉に向けなければうまく理解できません。

 

周囲の条件がうまく整っていると全力で聞くことに集中することができ理解しやすくなりますが、周囲の条件が整っていないとうまく集中できずに理解しにくくなります。

 

大脳を損傷していると、自分の意思で聞く構えを整えられないことがしばしばあります。
たまたまうまく構えられるとすんなり理解できますが、そうでないほとんどの時は理解できないことが多いです。

 

実際、ウェルニッケ失語症の患者は、医師などと話しているときは理解が悪く、家族や知人などのごく自然に話せる人と話しているときは理解が悪いという報告があります。

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