ウェルニッケ失語症:言葉は滑らかに出る
ウェルニッケ失語症は言葉は滑らかに出ることが特徴です。
しかしその言葉は通じません。
患者は意識はしっかりしており、周囲の人に話しかけますが、話しかけられた方は何を言っているのか理解できず戸惑います。
周囲の人からの話しかけも通じません。
言葉は滑らかに発せられ、プロソディも正常なので、少し離れて聞いている人には自然な会話に聞こえます。
しかし実際は患者が何を言っているのか、その内容は理解できません。
「うん」「それで?」など相槌を打つと、相槌に合わせて話を続けてくれます。
音が崩れているので聞き手は何を言っているのかわかりません。
ときどき「この」や「困る」など、聞き取れる言葉が混じりますが、無意味な言語音のつながりとます。
これを専門用語でジャーゴン(意味不明の言葉)と言います。
しかし、決して意識障害や精神錯乱があって言葉通じないわけではありません。
普段の食事、着衣、洗面などの生活は普通にできることがほとんどです。
「歩いてください」「目を閉じてください」「靴をはいてください」など、簡単なことを理解できる場合もあります。
ウェルニッケ失語症は、相手の言語がはっきり理解できず、自らの言葉も崩れる病気です。
言語の受容面にも言語の表出面にも、ともに異常が見られます。