ウェルニッケ失語症:言語理解障害の特徴
ウェルニッケ失語症の言語理解障害の特徴をまとめました。
次の通りです。
- 言語理解障害の程度が重くても、日本語と外国語の聞き分けができます。
- 理解障害が重くても、話しかけられるセンテンスの大まかな意味は理解できます。
- 動作命令の内容を理解しやすいです。
- 理解能力には揺れがあり、普段理解できない言葉も状況によって理解できることがあります。
例えば、行動が要求されているか、言葉での応答が要求されているか、単に話しかけられているか、などです。
センテンスの内容やそのときのプロソディなどから、センテンスを、動作命令・質問・語りかけの3つのカテゴリーに分類して理解していると考えられます。
例えば、重いウェルニッケ失語症でも、全身動作を要求する命令は理解できることがあります。
「立って」「座って」「目を閉じて」などがよく理解されます。
人によっては、「サッカー選手みたいにボールを蹴って」などの複雑な命令を理解し、正しく応答する場合もあります。
動作、特に体の軸を中心とする動作を含む言葉は理解されやすいようです。
これは、ブローカ失語症で言葉が出たり出なかったりする現象と同じです。
話しかけの最初の言葉を特に理解しやすいようです。