失語症:伝導失語の特徴

失語症:伝導失語の特徴

伝導失語症の特徴は次の通りです。

 

  • 言語音の聴覚心像領域は壊れていないので、聴覚性の言語理解に問題はない
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  • 言語音の運動記憶領域は壊れていないので、思ったことを表現するのに問題はない
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  • 運動記憶中枢は聴覚心像中枢との連絡を失っているため、発話における正確な単語の選択能力は低下している
  • この場合の単語選択の混乱は、聴覚心像中枢そのものが壊れている場合ほど強くはない

     

  • 間違った言葉を発した際は、その言い間違いに気づくことができ、意識的に間違いを訂正することもできる
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  • 聴覚心像と運動記憶をつなぐ連合路が切断されているので、一字一字順序良く正確に文字を読むことができない
  • 単語読みに熟達している場合は、その単語が概念を呼び、その概念から適切な単語を呼び起こすので、ある程度は読むことができる

 

脳では聴覚心像領域と運動記憶領域が、連合線維というものによって結ばれています。
「聴覚心像中枢→連合線維→運動記憶中枢」という回路によって言語は作り出されていると考えられています。

 

そして、この連合線維の損傷による失語症が伝導失語と言います。
そのため、運動性失語症(ブローカ失語症)とも感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)とも性質が異なっています。

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