ブローカ失語症:音声言語表現が極端に減る
ブローカ失語症の最大の特徴は、自分の思想表現に用いることのできる言葉数、すなわち適切な状況で適切に使える音声言語表現の種類が極端に減ってしまうことです。
必要に応じて使える言語表現の種類、つまり発語レパートリーが、ときには数えられるくらいにまで少なくなってしまいます。
発語レパートリーの貧困化の程度は、症例によってさまざまです。
発後レパートリーは極端に少ないものの、非常に変化に富む身振りを交えることで自分の考えのほとんどを伝えられる人もいます。
一方、常套句もある程度言えて、言い間違いも結構ある人もいます。
言い間違うということは、つまりさまざまな音声が出るというわけです。
ブローカ失語症の発話特徴は次の通りです。
- 発語の開始が遅れる
- 聞き取れない構音不明瞭な部分が混じる
- 音節水準での言い間違いなどがある
- 自分の思いを適切な語として表現できない
- 適切な語が出たとしても、それをつないでいくことができない
- 発話全体に流れがなく、速度、リズム、抑揚が不自然である
しかし、このように発語の不自由なブローカ失語症者が、時と場合によっては、滑らかでかつ適切な言葉を発することがあります。