失語症 健忘失語:特定の意味グループだけわからない

特定の意味グループだけわからない

失語症である健忘失語では、特定の意味グループだけわからないということがあります。

 

わからない言葉は、屋内の構造物の名前(壁や床など)であったり、家具の名前(机や椅子など)であったり、身体を指す名前(膝や首など)であったりします。

 

ある特定の意味グループに障害が限られている状態です。
すなわち、呼称能力は全体的に落ちていますが、語義理解障害は特定の語彙群に限られています。

 

これにはいくつかの仮説があります。
以下で紹介します。

 

一つ目の仮説は、人工物、つまり人間が作り出した道具の名前が一つの大きな意味をグループを形成しており、このグループの意味基盤だけが欠落したのではないか、というものです。

 

二つ目の仮説は、さまざまな物の自分からの距離の違いが理由ではないかというものです。
何らかの生物学的な理由によって、体および体に近い位置にある対象物を表す語彙の意味だけが不安定になってしまったのかもしれません。

 

三つ目の仮説は、全体と部分という考え方です。
屋内構造物や身体部位の名前は独立した対象につけられたものではなく、独立したものの一部を表す名前です。
壁の意味を聞かれて天井と床との相対関係を示す図を見ながらであれば、その意味が理解できるのは、全体と部分の関係がわからなくなっているからだと考えられます。

 

まだはっきりとしたことはわかってはいませんが、脳損傷では、ある意味に属する語彙群に限局して、語義理解の障害が起こり得るということでは確実です。

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