失語症 健忘失語:言葉は出ないが言い換えることはできる

失語症 健忘失語:言葉は出ないが言い換えることはできる

失語症の一つである健忘失語では、物を示してその名前を尋ねられても、なかなかその名前が口から出ません。

 

しかし、目的の言葉は出ないものの、出ない言葉を他の表現で言い換えたりするのは結構上手です。

 

つまり、名前は出ませんが、示された物が何であるかはよく理解しています。
呼称能力に障害が生じている状態です。

 

物の名前を聞かされても、その名前に相当する物を指差せないこともあります。
センテンスの理解はまずまずな場合があります。
複雑な文は理解困難ですが、診察時のさまざまな質問への理解などには難なく対応できるケースも多いです。

 

また、「わかる」「わからない」で白黒をつけるのが苦手という場合もあります。
正しい物を指差せたとしても、それでよいのかどうか確信をもてないのです。

 

このような不思議な語義理解の障害は、全てのものの名前で見られるわけではありません。
例えば、椅子や机など家具の名前はわからないですが、時計や鉛筆など日常品の名前は問題なく答えられたりします。

 

健忘失語の症状の中で一番目立つのが、適切な単語を思い出せないことです。
健忘の健とは「よく、非常に」という意味ですので、よく忘れる失語症という意味を持ちます。

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