失語症:ブローカ失語とは

失語症:ブローカ失語とは

ブローカ失語は、失語症の中の失語症とも言われ、非常によく知られています。

 

名前の由来は、最初に症例を報告したフランスの外科医ポール・ブローカから来ています。

 

ブローカ失語の最大の特徴は、そもそも言葉が出なくなってしまうことです。
そのメカニズムははっきりとは解明されていませんが、大きく3つの説があります。

 

一つ目の説は、ブローカ自身が立てたもので、言語の音の組み立て(構音)にかかわる神経過程が壊れる、というものです。
この考えは現在でも広く信じられています。

 

二つ目の説は、アメリカの研究者グループが提唱したもので、ブローカよりももっと大きく問題をとらえた考え方です。
言葉が出ないのは、言葉の生産の流れが悪くなっているのが最大の問題で、ブローカの唱えた構音障害はその一部分に過ぎない、という考え方です。

 

一つ目と二つ目の説は、一見同じように見えるかもしれませんが、厳密には異なるものです。

 

三つ目の説は、ブローカ失語の基本障害は、リズム・抑揚・強勢など、発語に内在する音楽的な側面に問題があるのではないか、という考え方です。
リズム・抑揚・強勢は言語プロソディと呼ばれていますが、思考を具体的な言語音の流れに変換するのに、このプロソディが関わっているのではないかと考えられています。

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